今回の治療では、以下の製剤を使用しました。
・ボリューマ(3本)
注入部位
・中顔面(頬、目の下)
・下顔面
なぜ顔全体のアプローチなのか(重要ポイント)
患者様がご相談された内容は「頬のこけ」と「目尻のしわ」という、比較的部位が限定されたお悩みでした。しかし実際にカウンセリングと診察を行ったところ、頬だけでなく顔全体にボリュームロスが見られる状態であることがわかりました。
このように、ご本人が気にされている部位と、実際に老化のサインが現れている範囲が一致しないケースは少なくありません。特に頬のこけや目尻のしわといった症状は、その部位だけが独立して起こっているのではなく、顔全体の脂肪組織や皮下組織のボリューム低下という、より広い変化の一部として現れていることが多いのです。
もし、気になる部分だけをピンポイントで治療していたらどうなっていたでしょうか。たとえば目尻のしわだけに注入を行っても、頬全体がこけたままでは、顔の土台となる立体感が失われたままになり、結果として不自然な仕上がりになったり、効果を実感しにくかったりする可能性があります。しわや影は、あくまで「表面に現れた結果」であり、その根本には顔全体の容積減少という共通の原因が隠れていることが多いためです。
そこで今回は、局所的にしわを埋めるという対症療法ではなく、顔全体のボリュームバランスを底上げするという方針を選択しました。具体的には、頬骨下のくぼみと頬中央の影(ゴルゴライン)という、顔の印象を左右する中心的なポイントに注入を行うことで、結果的に頬のこけだけでなく、輪郭全体の凹凸や顔の重心といった、より広い範囲の印象改善につなげることができました。